取材日:2023(令和5)年8月31日
運営事業者 | 特定非営利活動法人大東ネットワーク事業團 |
所在地 | 兵庫県神戸市 |
認定自治体 | 神戸市 |
日住定員 | 90名(2023(令和5)年9月1日から105名の予定) |
支援体制加算 | なし(15:1) |
宿直体制加算 | なし(オンコール体制あり) |
食事提供 | あり(朝・夕)※ |
住居の特徴 | 元社員寮、4階建、賃借物件、水回り共同利用 |
※以前は昼食を提供していたが、通院・介護サービス・その他の用事などで日中に外出する入所者が多くなったので、現在では昼食提供をやめている。
多様な利用者に対応するための設備改修
元は単身者用の社員寮として建てられた施設で、浴室やトイレが単身男性を前提とした造りであった。女性や母子はそのような浴室・トイレは使えないので、居室を改修して、女性及び要介助者用の浴室と脱衣所や、女性及び要介助者用としてバリアフリートイレを新たに設けた。また、一部の居室は2室の間の壁を取り払って広い1つの居室にし、母子や成人親子の複数人世帯用に確保している。
玄関前の階段をバリアフリー(スロープ)に改修した。介護認定を受けている入所者は、階段昇降しなくて済む1階に住めるようにしている。
廊下に安全確認防犯カメラを30台ほど設置、管理人室でリアルタイム映像が確認できるようにした。転倒などの事故にいち早く気づくことができる。また、居室内での突然死など警察が介入した際にはカメラの録画データが提出する資料になる。
居室と1階の管理人室の間で音声通話ができるインターホンを各居室に設置した。食事をとりに来ていない、安否確認できていない人にインターホンで声掛けをし、応答なければ居室訪問する。
女性の利用者への支援
女性利用者の場合は、福祉事務所にも女性のケースワーカーに担当してもらうようにしている。また、入所者の中で女性の方に、報酬を払って、新しく入ってきた女性利用者に施設の使い方などを教える役割を担ってもらっている。
女性はDV被害のケースも多い一方、公的な女性用の一時施設は使いづらい(息子を連れている場合に一緒に入れないなど)。また女性の矯正施設等出所者も他に行先が見つかりづらく、日常生活支援住居施設(日住)が受け皿になっている。
入所者に寄り添った言葉がけ
罰金刑を受けていたが払えずに労役に行かないといけないことが入所後に判明した方の支援ケース。労役に行っている期間は一時的に退去してもらう(部屋を空けてもらう)ことになったとき、若い職員が言った「ごみと保有する物を自身で整理して残置した荷物は『処分する』」という言葉に、入所者が自分の荷物を「ごみ扱い」されたと感じて怒った。別の職員が「労役に行っているあいだ、別の場所で、自身が戻った時に使う荷物を『預かる』」と伝えて、一緒に保有する物と処分する物を分けると話し、入所者に納得してもらった。
特に生活支援員が入所者よりも年下である場合、言葉の選び方ひとつで、入所者との関係が難しくなることがありうる。生活支援員には、資格だけではなく、社会経験・アプローチ・言葉づかいのスキルが重要だと考えている。